Talking over with you, the wise.

エンジンプラス10周年を記念し、
これまでお世話になった「広告界の賢人」に弊社スタッフがお話を伺って参りました。

5局兼務してたんですか!?

岡﨑:
そのあとSONARを始めてから世の中はどんどん4マス以降の部分が動いていってるというか。今もそうですけど。変にクリエイティブディレクターという広告の世界のラベルを貼られなかったので、そういうこう、キャンバスに囚われないコンテンツの仕組みなりなんなりということで解決するという仕事にどっぷりいたんで、そのときに頼りになるというのはやっぱり、ほんとに大磯さんのとこだったんですよね。
ほら今でもセイコーでやった…
EP2:
「M」
岡﨑:
「M」(注8)をやったときの、ニューヨークのソーホーでやった取材、ハリウッドの「マトリックス」のコスチュームやプロダクションデザイナーの人とか。
EP2:
元FBIだった人。
岡﨑:
そう元FBIとかブラックホークダウンの現場にいた特殊部隊の人への取材。あれでやってたことというのは今でも絶賛ですよね。いわゆる新しいクライアントにブランド作るときに見せるともう絶賛しますよね。
EP2:
ここまでやる?って。
岡﨑:
そう、そう。だからそれをちょっと破天荒なことを思いついても、実現に持っていってくれるというね。
EP1:
(笑)
岡﨑:
すごいですよね、その実現力が。


EP1:
岡﨑さんのオーダーをいつも昔から受けるとき、「こんな感じ」という言葉でおっしゃるじゃないですか。その言葉でおっしゃることを僕らが映像化していくときにじゃあ、この言葉ってどういう映像にしたらいいんだろうって、ディレクターとかみんな含めて考える。ただ、そのとき、投げっぱなしじゃなくて、みんなで共有してってやるじゃないですか。
岡﨑:
たぶん広告のクリエイティブ業界の仕込み方と違うのは、何ていうの、大河ドラマでいうとたとえば「伊達政宗の幼少期」とかでさ、伊達政宗のお父さんの部下の息子とかと幼馴染みになったりするじゃない。そういう感覚なんだよね。
EP1:
(笑)
岡﨑:
(笑)なんかこう、チマチマしてるんだけど、一緒にやってる感じがすごいするというか。根本っからやっていく。そんで仕込んでる期間がまたがってて、長いの。
EP2:
(笑)そうですね。
岡﨑:
だからそういう意味でいうと、神棚に祀りあげられちゃってる立ち位置でというよりは、なんかこう、僕としては代理店から命令されてただ従うだけじゃない余地というか、面白い工夫の余地みたいなのがあるように頼んでるんですよね。でもだから大変なんですよ。だから本当にそうだな、あのセイコー「M」のときのグーグルアースのね、オートランの着地のスピードの話(注9)とかね、それを絶賛されるんですよ。
 
EP2:
岡﨑さんが本気出してやる仕事っていうのは、なんていうのかな、聞いたことないような解決方法でいこうとするんです。
岡﨑:
あー、そうなんですか。
EP2:
僕が最初にやらせていただいた仕事の1つにIT放送と当時は言っていたやつの企画があって。毎日スーパーのチラシみたいなものを計測して、
岡﨑:
あ、覚えてますよ。ダイエーのチラシのでしょ?
EP2:
そうです。「クライアントが絶対特質がわからないと思うから、どういうふうに説明すればいいか考えるので、まずはちょっとスーパーのチラシ持ってきてくれ」と言われまして。それで「チラシの面積を全部測れ」って。野菜に何%使ってるとかいうのを全部グラフ化するの。毎日スーパーのチラシの中のレイアウトを。2週間。7センチ×何といって。
岡﨑:
そうだね。「黒豚本日限り」は全体の3%の面積で…とか言って。
EP2:
それで目を引くのはわざと形をこうしてるとかいろいろ、その統計出してとか。もう徹底的にやる。その過程で、自分が思ってた「企画の人」って直感でピンみたいなイメージがあるけど、岡﨑さんはそうじゃないんだなって。
岡﨑:
分析します。
EP2:
まず、すごーく分析する。しまくる。でも、じゃあその分析通りに、「こういう結果があるから、それをそのままやります」というんじゃないんですよね。
そこに乗っかっていくという感じじゃない。分析結果ってのはもう「過去がこうだったというだけのこと」だから、岡﨑さんはそれを見ながら「わかった」っていうだけ。
「よくやってくれたね」と言いながら、これを全部壊せばいいんだとか。分析からのインサイトの見極めみたいなことが、衝撃的だった。あの頃って…30いくつぐらいですか?
岡﨑:
34ですね。
EP2:
そうなんですね。だからやっぱり当時もすごいなと… っていうか僕が思っててもあれだけど、それが証拠に年中、電通のそこら中から「ちょっとやってくれ」みたいな形で頼まれ仕事を、
岡﨑:
そうですね。だから90年代の終わりは、
EP2:
プレゼンばっかりしてるイメージがある。
岡﨑:
5局兼務ですね。
EP2:
5局兼務してたんですか!?
岡﨑:
愛知万博とか、営業企画とか、それからマーケ、それと開発部門とか、そんなとかですね、兼務していたのは。
EP2:
愛知万博ってあの。
岡﨑:
そう、愛知万博室にいたんですよ。海上の森(かいしょのもり)という山があって、そこで、ロケを…エンジンさんと映像やった仕事が愛知万博。
EP2:
ええ、そうですね、はい。
岡﨑:
まとめると自然の叡智というテーマでやってんだけど、いわゆる木とか森とかじゃない意味での自然の叡智というテーマで、世界中の叡智といわれてる人から「愛知万博頑張れ」という応援をもらってこい、という仕事ですよね。それを5分の映像にまとめろというのをスギヤマさんが「岡﨑君やってみれば」と言われてやってた。それでアポなしでいきなりアメリカに入って、ボストンからミシガン、サンタフェ研究所、とかニューヨークとか転々として、
EP2:
あー、サンタフェ行ってましたね、はい。
岡﨑:
それでこう、サンタフェ研究所の各ラボで、1人2時間ぐらい会う。インタビューするんです、僕が。
EP2:
はい。
岡﨑:
その人の研究の内容を。しゃべりながら、聞きながら、その話の流れの中、最後の5分で「ということで愛知でこういうことやるんですけど、どう思いますか?」と。「いいね、それ」と。「是非呼んでくれるといいね、僕その頃死んでると思うけど」って、そういうこと聞きだして、それを持ってきて、全部つなげたやつを、エノキドさん(注10)と一緒に「おう、ここと、ここと、ここだ」と言ってつなげてビデオを作ってた。
EP2:
そうでした。
岡﨑:
複雑系の研究所の外で、ちょこっとロケハンしてるときとかに、後ろのほうで「サンタフェだからさ、テックスメックスおいしそうだね」とかスギヤマさんがさ。「テックスメックス食べにいこうよ」、「うるさいな!」とかって。
EP2:
(笑)
EP1:
(笑)
岡﨑:
「おう、岡﨑もなんか、一人前になったね」って言われて。
EP2:
(笑)食い物うるさかったですからね。
EP1:
その仕事のたぶん一番最後の映像仕上げたの僕、関わってますね…
岡﨑:
そうだよね。
EP2:
だいたいそういうとき、大磯がやってますね。